「まちづくりにおける持続可能性とFM戦略」をテーマに、持続可能性につながるSX、DX、地域課題等を示すデータとEBPMなどに取り組む事例研究 |
部会長:髙藤 眞澄 T-FMコラボレーションLab.代表 一級建築士 認定ファシリティマネジャー |
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まちづくりとSDGs:SDGsへの対応をテコに地域課題を包括的に捉え解決策を検討することにより持続可能性が高まる。 EBPMの推進:データを基礎に地域課題や情報の共有化を促進し、施策検討プロセスの可視化を検討する。 |
サマリー | 「まちづくりにおける持続可能性とFM戦略」に関して、先ずは持続可能性が意味することを明らかにし、その代表として、SX,DX,GXの事例を研究する。
SXの事例として、下川町、神山町に注目する、小さな自治体でありながら他の地域にない地域価値の創出を続けている。そのエンジンを確認したい。 DXは、SXに進む前段階としての取組みに位置づけられるが、単なるデータベース化ではなく、まちのサービス機能とリンクし、生活を支援し変革をしてウェルビーイングを向上させる「データ活用」をベースとする。 GXは、まちの物理的空間のデザインと空間利用が主となる課題であるが、地域環境、景観、災害時の避難と防災・減災の施策にもつながる「まちのレジリエンス」を形成する。 |
活動内容 | 「まちづくりにおける持続可能性とFM戦略」をメインテーマのもと、SXの事例、DXの事例、GXの事例について先進の適切な事例を探すとともに、達成している内容を確認する。部会は原則1回/月の頻度にて開催。各サブテーマに関しては、3〜4回程度で一区切りをつけるべく部会での意見交換を優先の上、第1回目テーマに関する概要、第2回目専門家によるテーマ解説と成果予測、第3〜4回目「まちづくりにおける持続可能性とFM戦略」について、部会の見解を整理する。テーマ内容によって他の研究部会にも関連のある場合には、合同部会なども開催する。
部会開催は、現状はオンライン利用にて実施している。今後も、オンライン利用を継続する予定である。 ※定例会開催日程(原則) 第4木曜日15:00〜17:00、月1回 |
成 果 | JFMA の公式イベントであるファシリティマネジメント大会、秋の夜学校等、には必ず成果報告のつもりで部会の研究成果をベースとした成果報告を行っている。また、JFMAジャーナルへの投稿なども活動成果の報告として実施している。
※研究成果の詳細を閲覧することが可能です: 「研究成果 他」の項目へ |
メンバー | 部会長:髙藤 眞澄(T-FMコラボレーションLab.)
部会員:安蘓 秀徳(東京美装興業) 鎌田 佳子(ザイマックス不動産総合研究所) 上倉 秀之(FM防災Lab) 小永井 耕一(東京都環境公社) 重富 賢太郎(個人) 塚田 敏彦(NTTアーバンソリューションズ総合研究所) 野呂 弘子(日本郵政) 原山 坦(個人) 宮下 昌展(エムケイ興産) 山下 哲雄(物と事の作業室) 事務局:天津 健太郎(JFMA) |
「持続可能性を高める都市経営とそのFM戦略」の基本認識のもと持続可能なまちづくりの具体的要件を明らかにする。
@SDGsへの取組み A拠点整備の効果、について検討する。
【背景・狙い】
持続可能性は多様な価値を統合した概念でまちづくりを進める上でも多様な施策、取組みが必要である。世界の国々はSDGsの地域課題に対応した多面的な取組みを進めているが、非営利組織Sustainable Development Solutions Network(SDSNと略す)は毎年、世界のSDGs進捗状況を公表している。2023年はSDGs実現の2030年までの中間点として、現状と目標のギャップを示す中間報告書「HALFWAY TO 2030」も公表した。当部会では、これらのレポートを基に日本の自治体の取組状況を確認し,持続可能性への要件について検討する。特にまちりづくりのレジリエンスの視点は、能登半島大地震(2024)、熊本地震(2016)東日本大震災(2011)、阪神淡路大震災(1995)と遡りながら教訓等を収集したい。
可能であれば、公共施設マネジメントによる公共施設整備に伴う「新たな拠点形成」がまちづくりに影響を及ぼす、活性化効果を生む事例を通じて、その要件を見ていく。先ずは「道の駅」に注目したい。
【研究計画】
【研究活動】
毎月1回の部会開催:文献・資料等による事例研究や専門家等の講演を交えて、情報収集・意見交換・自主研究を行う。
「持続可能なまちづくり」の事例研究−公民連携の目的と成果
【背景・狙い】
近年、特に地方の自治体は急速な人口減少や少子高齢化に直面するとともに、各自治体の置かれている状況による様々な地域課題・社会課題のへの対応を迫られ、必ずしも人材や能力、財源が充分とは言えない経営リソースのひっ迫状況の下で懸命にまちづくりに向けた取組みを行っているところも多い。国の支援のみならず、民間企業等の経営ノウハウ・実績・リソースを活用して、従来の行政主体によるまちづくりから多くのステークホルダーによるまちづくりを進める、公民連携によるまちづくりについて、特に注目した。公民連携による様々な事業方式があり、プロジェクトの狙いや特質に即した事業方式による実施成果は、地域のまちづくりに繋がることが多い。そこで、様々な公民連携の事例研究を通じて、まちづくりへの波及効果を明らかにした。今後の自治体経営において参考になることを期待する。
【研究活動(部会)】
毎月1回の部会開催にて、文献・資料等による事例研究や専門家・事例関係者の講演を交えて、情報収集・意見交換・研究を行なった。
◆専門家・部外講師による講演会
・大和リース原征史様講演「公民連携の実績とまちづくりへの貢献」
・東洋大学客員教授 南 学様講演「公民連携で進める公共施設マネジメントと街づくり」・東洋大学客員教授 天神良久様「公共建物の長寿命化―千葉県2事例報告」道の駅保田小学校、七浦診療所:公共建物としての利用を終えた後も長寿命化の成果として、新たな公民連携による道の駅として再利用されるとともに住民の新交流拠点としてまちの活性化に貢献している。七浦小学校も廃校後は診療所を中核とした複合施設を公民連携により作りこみ、今後のまちづくりへの出発点になっている。
・NTTアーバンソリューションズ「パークPFI」の事例紹介:池袋南公園と旧広島市民球場跡利用による公園整備とまちづくりとの関係を紹介
・NTTアーバンソリューションズ総合研究所 大島一夫様講演「エリアマネジメント概要」:エリアマネジメントの組織と活動成果に対する公と民の役割を紹介
・公民連携プロジェク事例研究:公および民の役割とメリット、利用者のメリットを整理、民間企業の経営戦略における公民連携の位置付けを分析
【FMフォーラム対応】
研究部会の活動成果に基づき報告をまとめて大会にて発表した。テーマは「まちづくりを支える公民連携」。公民連携により実施プロジェクト成果が向上し効果もおおきくなる傾向が見える。理由は、施策の幅と奥行きに公民連携による広がりができ、選択肢が増えることによると思われる。その結果として、まちづくりに関しても成果や影響も大きくなる。公共施設マネジメント事例研究、パークPFI事例研究、エリアマネジメント事例研究により得られた成果をFM大会では紹介した。
【初心者向け秋の18講座対応】
毎年の秋に開催される初心者向けの講習会に、FM戦略の基礎・基本事項について担当している。この講座は、初心者向けの基礎研修として評価されるものを目指している。FM戦略の基礎に関しては、公式ガイドブックに則して、第1章 ファシリティマネジメント から第6章 FM戦略・計画までの範囲をカバーしたうえで、最近の話題の中からFM戦略にかかわりの深いテーマを選択して解説する2部構成として実施している。2023年度には、働き方改革とオフィス戦略を取り上げた。
【SDGs研究レポート関係】
2022-2023年度にかけて「SDGs研究レポート」を各部会と協調して作成し、JFMAジャーナル「R6」として発刊。当部会は「SXで変わるまちづくり戦略―新FM戦略のリスクと機会」のテーマで今後のまちづくりに求められるSustainability transformationを紹介した。